● 明し -- 赤し -- 明石(地名。歌枕)
「有明の月もあかしの浦風に波ばかりこそよると見えしか」 (金葉集)
● 飽か -- 閼伽(あか/仏に供える水、船に溜まった海水)
「むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな」 (古今集)
● 飽き -- 秋
「秋の風は身をわけてしも吹かなくに人の心のそらになるらむ」 (古今和歌集)
● 開く・開け -- 明く・明け・朱(あけ)
「ともしして箱根の山に明けにけりふたよりみより逢ふとせしまに 」 (千載集)
● 逢ふ -- 逢坂(あふさか/地名、歌枕)・阿武隈(あぶくま)
「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」 (後撰集)
● あふ期 -- 朸(あふご:おうご/天秤棒のこと)
「などてかくあふごかたみになりにけむ水もらさじと結びしものを」 (伊勢物語)
● 逢ふ身 -- 近江
「今日わかれ明日はあふみと思へども夜や更けぬらむ袖の露けき」 (古今集)
● 天(あま) -- 尼 -- 海人(あま)
● 天(あめ) -- 雨
● 天の下 -- 雨の下
「さして行く笠置の山を出でしよりあめが下にはかくれがもなし」 (太平記)
● 文(あや) -- 綾(あや)、綾織る
「あやなくも隔てけるかな夜を重ねさすがに馴れし夜の衣を」 (源氏物語)
● 文目(あやめ) -- 菖蒲(あやめ/植物)
「ほととぎす鳴くや五月の あやめ草あやめも知らぬ恋もするかな」 (古今集)
● 有らじ -- 嵐
「もみぢ葉のちりゆく方を尋ぬれば秋もあらしの声のみぞする」 (千載集)
● あり -- 有明け(有明方・有明の月)
「立ち出づるなごりありあけの月影にいとどかたらふ時鳥かな」 (新古今)
● いと(副詞) -- 糸
「ささがにのいとはるかなる雲ゐにもたえむ中とは思ひやはせし」 (玉葉集)
● 言は -- 岩代(いはしろ/地名)
「かくとだにまだいはしろのむすびまつむすぼほれたるわが心かな」 (金葉集)
● 言ひ -- いひ(いい/池や水門のこと)
● 憂き -- 浮き(浮き草、など)
「心からうきたる舟にのりそめてひと日も浪にぬれぬ日ぞなき」 (古今集)
● 憂き目 -- 浮き目・浮き海布(うきめ/水面に浮いている海藻)
「憂きめ見しその折よりも今日はまた過ぎにしかたにかへる涙か」 (源氏物語)
● 憂き寝 -- 浮き寝
「ささらなみ夢のまなくも水鳥の鳰にほのうき寝やわびて啼くらん」 (雪玉集)
● 恨み -- 浦・廻(み)・見・裏
「こち風になびきもはてぬ海人舟の身をうらみつつこがれてぞふる」 (玉葉)
● 老い -- 生ひ
「おい立たむありかも知らぬ若草をおくらす露ぞ消えむ空無き」 (源氏物語)
● 起き -- 置き -- 沖 -- 隠岐(おき/地名)
「立ち返りあはれとぞ思ふよそにても人に心を沖つ白浪」 (古今集)
● 音 -- 噂(おと)・訪れ
「音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ」 (金葉集)
● 思ひ -- 火・日・緋
「人知れぬ思ひをつねにするがなる富士の山こそ我が身なりけれ」 (古今集)